Red Bull Air Race at Ascot

レッドブル・エアレース。曲がりなりにもモータースポーツ業界にいたことのある身としては、もちろん名前は知っていました。でも2004年より昨年までに6大会が開かれているイギリスに住んでいながら、レースを見に行ったことは一度もなかったのです。

Red Bull Air Race. Having worked in F1 circus at the beginning of my career, I surely knew the name of this extreme motorsport. Saying that, I have never attended the event in person regardless of my residency in England, which hosted six races between 2004 and 2014.

そんな私がほんの数日のにわか勉強と2日間のインテンシブな観戦の結果この競技にすっかり魅せられてしまいました。それにはこのスポーツの魅力を教えてくれた多くの人たちとの出会いが一番影響しているのですが、初観戦の感動を忘れないためにも、今回はレースを見ながら思ったことを徒然に書かせていただくことにします。

After a few days of quick cramming and just two days of intensive watching, I am completely enchanted by this sport, well I hugely owe this to an amazing commentator and super cool pilots. Here let me write down the excitement of my first race before I forget…


エアレース取材の依頼が入ったのはアスコット戦から10日を切った頃でした。今年(2015年)初めて日本でレースが開催され、日本人のパイロットが調子を上げてきていていつ優勝してもおかしくない、そう依頼主から言われたのはいいのですが、正直言うと詳しいレースフォーマットも、出場選手のプロフィールも知りません。

まず先に言い訳をさせていただきます。アスコットでたくさんの観客の人たちと言葉を交わしましたが、「どの選手が勝つと思いますか?」「誰を応援していますか?」という質問にまともな意見を持って答えた人はほとんどいません。地元イギリスのポール・ボノム選手とナイジェル・ラム選手の名前を知っているならまだいい方です。メディアスタンドですら、ファイナル4のルールを知らずに座っている人がいたくらいです。ただただ「速い飛行機が飛ぶのを見に来た」ということなのです。


不束者のジャーナリストでもさすがに「わー速い!」で取材するわけにはいかないので、とりあえずレギュレーションを読むところから始めました。それから室屋選手の2009年からの成績を全て書き出してみました。ポーディアムの数やチャンピオンシップポイントでは語れないここ最近の進歩をどのように表現すればいいのか?

空のF1という異名を持つスポーツですから、もちろんマシンにも目を向けないわけにはいきません。エンジンとプロペラはワンメイクということらしいので、エアロパーツで勝負?エンジンカウリングのデザイン?限られた自由度の中ではあってもマシンを改良することができるようですが、マシンがF1ほどの結果を左右するわけではないなら、どれくらいの改良がどれくらいの差を生むのか?

コースに合わせた設定は?それぞれのレース特有の障害は?天候のファクターは?などなど・・・正直、何を見ればいいのか見極めがつかないまま、何ダースもの疑問を抱えて迎えた土曜日、アスコット競馬場。


まず現場での第一印象は、何よりパイロンが想像していたより遥かに低いということでした。超低空を飛ぶ、それがこのレースの魅力だと聞いていましたが、こんなにも低いとは・・・。

少なくとも自分は幸運だなあと思うのは、スポーツのことをよく知らなくても仕事現場で専門家の隣に座らせていただくことがよくあるわけです。今回も例にもれずスーパー解説者と関係者の方々から直々に説明を受ける幸運に恵まれ、忍耐強い皆さんのご好意には本当に頭があがりませんでした。


生まれて初めてみたエアレース。次々と飛ぶ飛行機がチェックポイントを正確にクリアし、教えてもらったばかりの理想のラインを描けているかを見ていくと、ちょっと失礼な言い方かもしれませんがこれはF1というよりはジムカーナやドリフト見ているのに近いという感じがしてきます。ただ、違うのはそれをものすごい精度で戦っているということでしょうか。空のフィギュアスケートと呼ばれるのもよくわかります。タイムで競う競技でありながら、正確さや美しさといったある意味アーティスティックな要素が勝負を左右する不思議なスポーツであるように思います。

次に理解したのは、この競技はトータルタイムだけを見ていてもダメだということです。パイロンカットまではいかなくてもインコレクトレベル、トゥーハイなどのミスは出てきます。ミスをせずに安杯に飛ばなければならない、でもリスクを恐れずに攻めていくことができなければ決して勝つことはできない、そのアンビバレントな駆け引き。そしての奏功は究極的にはパイロットのほとんど潜在意識レベルでの集中力、精神力にかかってくるように思います。区間ごとのタイムを追いながらそのタクティックスの均衡が手に取るようにわかった時、ふと自分の心拍数までもが増えていることに気づいたのです。


私は女性だからかもしれませんが、個人的にはスポーツ一般においてテクニカルな面に関してよりも人間性が見える部分により魅力を感じます。F1ですらそうです。私のエアレース初観戦の感想は、このスポーツは極度の精神戦であり、人間味が非常によく見えるものだということでした。(それが漢学者の父がF1より面白いと言う理由でもあるのでしょう・・・。)

おそらく優勝可能性というのは、パイロットがその機体の可能な限りの速度と安定性で、自分の最高の精神状態でコントロールしミスなく飛んだ時のタイムが他の選手に優っているかどうかで語られるのだと思いますが、もしかすると自分を制することのほうが機体を制するよりも難しいことなのかもしれません。

私はファイナル4でこんなにもペナルティが出るとは知りませんでした。見ている方ですら手に汗握る1分数秒間。パイロットに必要とされる集中力と精神力は想像も及びません。それを想像しながら、こんなにも緊張してスポーツを見たのは実に久しぶりでした。


4人中3人が2秒のペナルティをもらった中で、ペナルティを受けず1分6秒代の速さで決めてきたボノム選手が優勝となりました。多くを語らない秘密主義の選手のようですが、またインタビューをする機会があれば、聞いてみたいことが沢山あります。

そして本当に美しいフライトを見せてくださった室屋選手も表彰台!でももっと上を目指していかれるところを、私もこれから一緒に応援させていただくことにしますね。


(室屋選手の機体とのツーショット自撮りのつもり・笑)

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