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My little thought on Leicester City

Updated: Dec 13, 2019

数ヶ月前にテレビの取材で訪れたレスター・シティ。イングランド中部の中でも移民の多いこの町のクラブを、多文化主義の調和を実現した数少ないクラブとして紹介したつもりだった。カーディフ・シティのようなことにはならないまでも、外国人オーナーの商業的な考え方とクラブの伝統を重んじる地元サポーターの意見の食い違いは珍しいことではないように思う。だがこのクラブのタイ人オーナーへの支持は絶対的で、それがこの町の風土に裏打ちされているというのがなんとも微笑ましいと感激したことを記憶している。


そして新シーズン。レスター・シティが日本人選手、岡崎慎司を獲得したことで、またレスター・シティを訪れる機会に恵まれた。サポーターやクラブ関係者からも暖かく日本人の新メンバーを迎える声を聞いて、「多文化主義の調和」を確信してロンドンに戻ったその次の日。「Vardy: Yo, Jap walk on」のニュースがザ・サン紙によって報じられ、もちろん日本のメディアにも出回った。レスター・シティのストライカー、ジェイミー・ヴァーディーがカジノでポーカーをしている最中に「ジャプ」という言葉を使って、東アジア人の客に対して人種差別発言をしたというものだ。


キング・パワー・スタジアムで岡崎の出待ちをしていた地元ファンと日本についての雑談をしながら、やっぱりここの人たちはどこぞの地下鉄で人種差別的暴言を吐きまくっていたCから始まるロンドンのクラブとは違うようなあ、と思ったのも1日にして撤回しなければならなくなった・・・。


世界中のスポーツイベントに取材に行っていて思うのは、スポーツは音楽やダンスなどの芸術と同様世界共通言語だということ。プレミアリーグの海外での人気は、イギリスにビジネスチャンスをもたらし、ポジティブなパブリシティを拡大する絶好のチャンスだと言ってもいい。だが正直そのイメージは人種差別や性差別、「淫らな」とまで表現される放映料や契約金と結びつけられて決してクリーンではない。


サッカーは労働者階級の人々のものであり、アスコットの競馬やクイーンズのテニスのように決して高貴で上品なものではない。だが産業革命時代の働き者たちの享楽から発展したアソシエーション・フットボールは、気取らず思慮のある様子を表すダウン・トゥー・アースという言葉が似合うスポーツとして、私は非常に気に入っている。


レスター・シティの新監督クラウディオ・ラニエリ氏の選出に関しても、彼の経歴や戦術面では「なぜ彼が新監督?!」と思った人も少なくないようだが、調和を尊重するオーナーの哲学を考慮してみると、極めて紳士的なラニエリ監督が意味不明な会見を繰り返していたピアーソン前監督より勝って見えたのは私がサッカーというバイアスが少ない素人だからだろうか。


偉そうなことをいう訳ではないが、スタジアムに足を運ぶものの一人として、イングランドサッカーは、関わる人々にもう少し分別と広い視野があったらもっと素晴らしいであろうに、と個人的には願って止まないのである。

#Football #LeicesterCity #PremierLeague

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